三重県熊野市の七里御浜海岸で毎年8月17日に開催される熊野大花火大会は、打ち上げ玉数が約1万発の南紀・熊野地方で最大の花火大会です。
300年を超える歴史を持つ大会の起源は、お盆の初精霊供養に簡単な花火を打ち上げ、その花火の火の粉で灯籠焼きを行ったのが始まりだと言われています。
その流れを受け、時代とともに花火の規模が拡大しても、本来の目的である初精霊供養の要素は消えることなく、現在でも地域の風習として残る灯籠焼きや追善供養の打ち上げ花火などがプログラムに組み込まれています。
日本最大の花火大会と言われる隅田川花火大会で約2万発ですので、人口わずか1万8000人の地方都市で開催される花火大会としては、かなりの規模の花火大会です(ちなみに、私の地元である人口3万人の新宮市(和歌山県)の花火大会は約5000発です)。
熊野灘を舞台として繰り広げられる豊かな自然を活かした大迫力の名物花火が他に類を見ない花火として話題を呼び、近隣の人だけでなく例年全国各地から20万人近くの大観衆で賑わいを見せています。
熊野大花火大会の名物花火として全国的に名を知られているのが、「海上自爆」「三尺玉海上自爆」「鬼ヶ城大仕掛け」の三つです。
海上自爆は、全速力で走る2隻の船から火の付いた花火を次々と海面に投げ込み、海上で半円形の花を咲かせる花火です。
観客の目の前で、花火の火の粉が全速力で走る船を追いかけるように開いていく様子は、スリル満点で心躍る光景です。
三尺玉海上自爆は、約4m四方の鉄骨製のイカダの上に直径90㎝・重さ約250kgの三尺玉を設置し、沖合400m地点に停泊させそのまま爆発させる大迫力の人気花火です。
その威力は凄まじく、鉄骨製のイカダが大きく曲がってしまうほどの衝撃ですが、直径約600mに広がる大きな華の美しさには誰もが息を飲むことでしょう。
http://youtu.be/crPlU7KofTA
鬼ヶ城大仕掛けは、熊野大花火大会のフィナーレを飾る仕掛け花火で、国の名勝天然記念物でもある鬼ヶ城(岩が鬼の城のように見えることから呼ばれている大岩壁)を利用して爆風と轟音を楽しむ花火です。
なかでも、鬼ヶ城の岩場に様々なサイズの花火玉を直に置いて爆発させる「鬼ヶ城大自爆」は、花火玉の自爆音や爆風に加え、岩場での反射音や洞窟での響鳴音も加わり体感震度が震度7に到達するといわれる大迫力を演出します。
爆発した花火は扇状に開き、音と光の衝撃が会場中を震撼させます。
他では味わうことができない大迫力の花火をぜひとも会場で体感してください。
大会当日の交通手段ですが、列車の場合、臨時列車は運行されるものの、やはり田舎の路線ですので車両数も少なく、ホームは人で溢れかえって、なかなか乗れない状況が続きます。
指定券も売り出されますが、販売開始後すぐに売り切れますので、なかなか購入できないようです。
車の場合も、昼前から渋滞が始まりますので、かなり早めに出発しないと、見れないまま終わってしまうということになりかねないので、ご注意ください。
熊野大花火大会の情報
住所: 三重県熊野市木本町 七里御浜海岸(→地図)
アクセス: JR熊野市駅から徒歩5分
問い合わせ先: 熊野市観光協会 0597-89-0100
公式ホームページ: https://www.kumano-kankou.info/kumano-fireworks/